こんにちは。 桐生市、みどり市、太田市、足利市からも通いやすいMM歯科・矯正歯科、 院長の真下です。
これまでの実験によって、矯正用ゴムの着色に影響することが発覚した「ターメリック」。
「着色」という点に注目してしまうと、歯科医療にとってターメリックは少し悪役的な感じで見られてしまうかもしれません。
しかし、実はターメリックには着色以外に別の注目すべき点があったのです。
それは、、、
ターメリックと歯周病の関係
です!!
はぁ?と思う方が多いと思います。笑
実はターメリック、いわゆるウコンの主成分である「クルクミン」には抗菌作用、抗炎症作用があると以前より医学界でも注目されていました。
歯科の代表的な疾患である歯周病は、細菌感染によって引き起こされる炎症反応の一つです。
そこに着目し、歯周病原菌に対するクルクミンの効果を調べた論文がいくつかあるのです。
その代表的なものがこちらです。
2016年にJournal of Periodontologyで発表された泉井秀介先生の論文
「Antibacterial Activity of Curcumin Against Periodontopathic Bacteria」
この論文によってターメリックが歯周病原菌を抑制する可能性が示されました。
泉井秀介先生は知る人ぞ知るスパイス研究家の歯科医師でもあることから、この論文は要するにカレーが歯周病を予防する可能性があることを示唆していると思われます!!(泉井秀介先生は水野仁輔さんの他に僕が密かに尊敬している先生の一人です!)
私は矯正用ゴムの着色とカレーという観点からターメリックに注目していたのですが、ターメリックについて調べていくうちにこのような事実にたどりついたわけです。
個人的にはターメリックって単に二日酔いに効くものだと思ってました。気合いを入れる飲み会前に「ウコンの力」とかよく飲んでましたし。笑
また余談ですが、この論文の存在を知り、Pubmedという論文検索サイトで確認して、すぐに拝見したくなりましたが、大学病院を離れてしまった今の私には論文をダウンロードする環境が身近になかったため、かなりもどかしい思いをしました。
そして当時から大変お世話になっている日大口腔外科の先輩に連絡してデータを送ってもらってやっと手に入りました。笑
S先輩、本当にいつも感謝しています。この度はありがとうございました!今後とも宜しくお願い致します。この場を借りてお礼を言わせてください!
というわけで、これまで私は矯正治療の観点では、ターメリックは好ましくないものと考えていたわけですが、歯科治療の上では必要な成分である可能性が出てきたわけです。
さらに矯正治療と歯周炎は切り離せない関係でもあることから、ターメリックについては新たな観点でのさらなる検討が必要であると感じました。
今後も細々と探求を続けていきたいと思います。笑
乞うご期待ください!!