こんにちは。 桐生市、みどり市、太田市、足利市からも通いやすいMM歯科・矯正歯科 院長の真下です。

 

この度、「タウンわたらせ」というタウン誌の「エッセー」のコーナーに全4回でエッセイを掲載させていただくこととなりました!

 

ここに全文を載せておきます!!

桐生の街が夜の静けさに包まれるころ、歯医者マシモはBar「Clove」の扉を押す。店内は間接照明だけのやや薄暗い空間。カウンターは六席、奥には二人掛けのテーブルが二つ。棚にはウィスキーのグラスがずらりと並び、その脇には小さなガラス瓶が置かれている。クミン、カルダモン、ターメリック、クローブといったスパイスが整然と並んでいる。スピーカーからはガンズ・アンド・ローゼズの 「Sweet Child O’ Mine」 が流れていた。どこか少年の無邪気さを思わせるギターの旋律だ。マスターは何も言わず、グラスに氷を落とす。カラン。その音を聞くと、マシモは今日の患者の顔を思い出してしまう。八歳の男の子だった。友達同士でやんちゃして遊んでいるときに前歯をぶつけ、先が少し欠けてしまったという。診てみると、治そうと思えばすぐに直せる程度だ。母親は心配そうに「先生、やっぱり直した方がいいですよね」と言った。ところが当の本人は胸を張って言った。「これは男の勲章だから、このままでいい」その言い方が妙に誇らしげで、思わず笑ってしまった。マシモはふと半年前のことを思い出す。その子は当時、歯医者が大の苦手だった。診療室に入るだけで泣きそうになり、椅子に座るのもやっとだった。そんな弱気な子だった彼が今日は、欠けた前歯を見せながら「男の勲章」だと男を語っている。子どもの成長というのは、本当に早い。歯医者の仕事は歯を守ることだと思っていた。けれどこうして子どもたちの成長を近くで見守ることも、この仕事の楽しみなのかもしれない。マスターがカウンターに小皿を置いた。クミンの香りがふわりと立つカレーだ。クミンは料理に力強い香りを与えるスパイスで、体を温め消化を助ける働きがある。どこか元気をくれるスパイスだ。さっきの少年の誇らしげな顔が浮かぶ。そしてクミンの香りが、その場に静かに広がる。明日もマシモは、患者の口の中にその人の人生を垣間見るのだろう。店にはスパイスの香りと心地よいロックが漂い、今夜も静かに夜は更けていく。

 

 

いかがでしょうか?自分がやりたいことを全部詰め込んだ物語として結構気に入っています。笑

 

この患者さんは実在する少年で、自分としてもとても思い出のエピソードでしたので第1話として取り上げさせてもらいました。

 

また子どものエピソードとガンズのSweet Child O’ Mineを掛け合わすところが自分的にはとてもオシャレだなと勝手に満足している作品です。笑

 

実際にロック好きで仲良くさせていただいている患者さんからも、この音楽のことを突っ込んでいただき嬉しい限りでした!!

 

こんなテイストでやっていきますので残りの3話もお楽しみください!!

 

MM歯科・矯正歯科